長谷部がお仕置きセックスをされるだけの話

短編
     

5052文字

「長谷部くん?」

 寝室のドアを開けると、ブゥゥゥゥゥンと低い唸りが聞こえてきた。
 光忠は軽く口の端を上げて鼻歌でも歌いそうな調子で部屋に足を踏み入れる。

「ただいま、遅くなってごめんね」

 シュル、とネクタイを解いてジャケットをハンガーにかけ、シャツとスラックスだけになるとギシリとベッドの上に上がる。

「~~~~っふ、んん、んぅ~~!」

 ベッドの上の長谷部は手首には手錠がかけられた状態で後ろ手に拘束されていた。両の乳首に貼り付けられたローターはヴヴ、と音を立てて震えている。
 長谷部がたまらないと首を横に振ると、汗で濡れた髪がパサパサとシーツを叩いた。

「みつた、らっ……も、や、イきたいっ………………」
 長谷部の後穴にはぶっすりとアナルバイブが挿入されていた。おまけに尿道にはブジーまで入れての徹底ぶりだった。頬には涙の跡が残っている。
「長谷部くん中イキできるだろ? 何回イッてもいいんだよ?」
「あっあああっっそれ、やめ、トントンしな、でっ…………ああああ!!」

 黒革の手袋が長谷部の立ち上がったものの先からでるつまみを抜いては入れる。螺旋状に装飾された棒に長谷部の精液が絡んでいくさまは淫らだ。びくびくと跳ねる体が面白くて前立腺を叩くように奥までブジーを入れると長谷部の背中がしなった。中でイッたのだろう。

「はーっ、は、あ、んん、みつただ、やだ、出したい……」
「長谷部くん、これはお仕置きなんだよ? わかってる?」
 そう言って光忠はブジーを一気に引き抜く。
「あっんあああああああっっ」
 どぴゅっと音を立てそうな勢いで長谷部の腹の上に白濁が散る。光忠は「あーあ」と言って散った精液を指ですくい取ると、
「君のせいで汚れちゃった。舐めて」

 と無理矢理口の中に指を突っ込む。長谷部は涙目でにらみつつも舌を動かしていく。革の香りと感触にえずきそうになりながらも健気に舌を絡めていく姿に満足げな笑みを浮かべると光忠は長谷部を反対の頭で撫でてやる。

「なんだっけ。『テク無しの粗チン』だっけ?『いいから黙って腰振ってろ』とかも言われたなあ。僕のより細いバイブであんあん言わされてる今の気分はどう?」

 長谷部くん、と顔を近づけると藤色の視線が逸らされる。

「……それは、酔ってて」
「酔ってる時って人の本音が出るっていうよね」

 完璧な笑顔の中、瞳だけが笑っていない。光忠はそう言って太腿にテープで貼り付けていたバイブのリモコンを手に取る。
「やっだめだ、それ、」
「聞いてあげない」
 ぐりっと一気にダイヤルを強まで回すと、長谷部の体がびくんと跳ね上がり、絶叫した。

「あ”あああ”あああっやめっあっやだっイくっイッちゃうっっ!!」

 堰き止めるものが何もない状態で責められ、長谷部の屹立からは絶え間なく白く濁った精液が噴き出した。それでも光忠の責める手は止まらず、その状態で何度もバイブを抜き差しする。

「やらああああ、みつ、みつたっ、も、イきたくないっおねがっ」
「お願いの前に言うことがあるだろう?」
「……ご、ごめ、なさ……」
「僕はね、長谷部くんのこと気遣って大事に大事に君を抱いてたんだ。それをね? あんなこと言われたら僕だって傷つくんだよ」
「…………わるかった」
「うん、だから今日一晩は僕の好きなだけ付き合ってもらうよ。覚悟して」

 慈愛に満ちた微笑みで長谷部の額にキスをすると、絶望的な光を浮かべた藤紫の瞳からぽろりと一粒涙が落ちた。


「やっああああみつたらっらめっあっあっんんんっ」

 長谷部が背中をしならせてびくびくと痙攣する。光忠の手にはバイブが握られていて、パール状のそれでごりごりと中を抉られると長谷部の目の前はばちばちと点滅して何も考えられなくなる。
 胸のローターはそのままにしてあるので、両の胸先からも断続的に快感が襲ってくる。ブジーは抜かれてしまったので、もう何度吐き出したのかもわからない。かろうじて勃っている屹立からはたらたらと精液が漏れ続けている。

「いっぱいイッていいよ。出なくなってオンナノコになったら入れてあげる」

 恐ろしいことを言われて長谷部の背筋が快感ではなく震える。光忠は本気だ。
 継ぎ足されたローションとバイブで後膣は既にとろとろで、いやらしく収縮してはただひとりの雄の侵入を待ちわびていた。
 長谷部はすこしでもはやくこれを終わらせようと、口を開く。
「みつ、ただ、おまえの、なめたい」
 光忠の瞳がギラリと光ったのを長谷部は見逃さなかった。
「ん、いいよ」

 そう言って光忠が長谷部に自分の上に跨がらせるように座らせる。いわゆるシックスナインの体勢になると、長谷部は必死に光忠のスラックスのジッパーに舌を伸ばす。両腕は拘束されているので使えるのは口だけだ。ジッパーの金具を噛んでジジ、と動かしていく。

「やっうごく、なっあああっ」
 ジッパーを下ろすのに集中していることなどおかまいなしに、光忠は長谷部のバイブとアナルの結合部に舌を這わせる。思わず腰が浮いたところに光忠がぱしんと軽く尻を打つと、中のいいところに刺激が来て長谷部はまた軽くイッてしまった。
「ほら、長谷部くん。はやく脱がせてくれ」
 中に収まっているものはすこし反応しているようで四苦八苦したが、なんとかジッパーを一番下まで下ろし終える。手が使えないのでスラックスと下着の上を同時に咥え脱がそうとすると、光忠が腰を浮かせて協力してくれた。ぶるんと弾かれるように中から出てきたのは既に臨戦態勢の光忠の砲身で、何度も見たはずのそれを見て長谷部はごくりと唾を飲んだ。

 これが普段自分のものに入っているかと思うと羞恥と恐ろしさが同時に襲ってくる。長谷部は軽く先端に口付けると、根本からぺろぺろと上に舐めあげていく。裏筋や血管のところは特に念入りに。時折びくりと震えるのがこんな状況だけれどいとおしい。時折横に咥えて吸うのも忘れない。

「ん、ちゅ、っっふあっ、みつ、たらっ!」

 長谷部の屹立にぬめっとした感触を感じて思わず光忠のものを口から離す。舐められているのだ、と気づいて後ろを振り返ると、「ほら、早く続けて」なんてのたまうものだから、長谷部も必死になって舌を伸ばす。
 いつの間にかバイブは抜かれ、光忠の指が長谷部の中に侵入してきていた。時折混ざるぬるっとしたものは舌だろう。膝から崩れ落ちそうになりながらも、長谷部は口を大きく開いて光忠のものを飲み込んだ。
 そのままじゅぷ、じゅぽ、と快感をやり過ごしながら光忠の砲身に奉仕していると、光忠の手ががしりと後頭部を掴む。

「長谷部くん、そんなんじゃイケないってば」

 掴まれたままぐいぐいと喉奥を突かれ、涙目になりながらも舌を絡めていると、突如どろりとしたものが口の中に出される。
「飲んで、全部。こぼしたらお仕置きだよ」
 その言葉を聞いて長谷部は何度かえずきながらようやく全部の精液を飲み干した。
「口の中、開けてみせて」
 口を開かせて中に何も残っていないことを確認すると、ようやく光忠は満足そうな笑みを浮かべる。

「長谷部くん頑張ってくれたから、そろそろ挿れてあげようかな。どう? 挿れてほしい?」
「ほ、ほしいっ」
「『光忠のぶっといおちんちんでオンナノコにしてください』って言ってくれたらいいよ」
「あ…………」

 わずかに残る理性が長谷部の喉を塞いだ。長谷部が言いよどんだ気配を察して、光忠は止めていた指の動きを再開する。ぐちゅぐちゅと音を立てながら二本の指で器用に長谷部の前立腺を刺激する。
 再び溶けていく理性がゆるゆると長谷部の口を開かせていく。

「あっあっああっ……み、みつただの、」
「うん」
「ひあっ、ぶっとい、ん、おちんちんで、んあああっ」
「それで?」
「やっそこ、だめっあっオンナノコに、してくださいっ……!」

 よくできました、と撫でられた手に無意識に頬ずりしながら、長谷部はカシャンと手錠が外される音を聞いた。
「じゃあ、そこ四つん這いになってくれる?」
「ん……」
 痛む腕にどうにか力を入れ四足で立ってみせると、光忠はぶちぶちと胸のローターを外す。久々に外気に触れた乳首はぽってりと腫れていて、息を吹きかけられただけでも快感に感じるほどだった。
 ひた、と後ろに光忠のものが押し当てられる感触があって、長谷部の体が待ちわびているかのように震えた。

 しかし、ぬるぬると尻の隙間を滑らせるだけで一向に挿れられる様子がない。この期に及んで焦らしているのだ、この男は。長谷部は気づけばぼろぼろと涙を流して後ろを振り返った。
「や、やらっいれ、いれてっじゅぽじゅぽしてっ!」
「じゅぽじゅぽだけでいいの? 奥の方ぐりぐりしてほしくない? 浅い所ちゅっぽちゅっぽは?」
「んんんっ……ぜ、全部っぜんぶしてっ」
「……これじゃちっともお仕置きにならないなあ」

 光忠は苦笑すると長谷部の腰を掴み、ぐっと力を込めると、そのまま一気に貫いた。

「あああああああっっ」
「バイブと比べてどう?」
「あっ光忠の、みつただのがいいっあ、んああっ」
「……っく、」

 長谷部の中が待ちわびたとばかりにうねって光忠のものを締め付ける。光忠が前に手を伸ばして長谷部の乳首を痛いほど摘むと、長谷部の形のいい背中がしなる。

「ひあああっだめ、ちくびだめっ」
「イイくせに。ほら、さっきから長谷部くんのここ、僕の離してくれないんだ」

 ぐり、と下生えまで押し付けて中を穿つと、長谷部が小さな悲鳴をあげる。
「どう? 長谷部くん、気持ちいい?」
「あっいいっいいからぁっはやく、みつただのでイきたいっみつただぁ……!」
 光忠、光忠、と何度も名前を呼んで長谷部がシーツに顔を擦りつける。腰は快感を追うようにぐねぐねと動いていて、前の方は半勃ちで精液か先走りかわからないものを垂れ流している。光忠がはたまらない、と軽く舌で唇を舐めると、長谷部の腰を掴み直した。

「長谷部くん、イク時はごめんなさいって言うんだよ」
「いうっ言うからぁ……みつただ、もぉ、ほしっ……」
 長谷部の言葉ににこりと笑うと、光忠はそのまま激しい抽送を開始した。

「ああああああっあっはげしっあ、あ、ごめ、ごめんなさいいいいぃ!!」

 長谷部の中が一瞬ぎゅうっと締まったかと思うと、奥からうねうねと誘い込むような動きで光忠のものに甘えてくる。締め付けをやり過ごして光忠は長谷部の丸い後頭部を撫でた。

「あは、僕のでオンナノコイキしちゃった? かわいい、長谷部くん。僕だけのオンナノコになったね」
「は、ぁ、イッた……イッたからぁ……」
「僕はまだイッてないよ? もうちょっと付き合って」

 そうしてぐい、と長谷部の体を持ち上げて背面座位の格好にさせると、先ほどより深くなった結合に長谷部が喘ぐ。

「ぁああああっ」
「こっちもたっぷり可愛がってあげないとね」

 ぐ、ぐり、と奥をこねるように動かすと、長谷部が「や、やだ」と小さく首を横に振る。
「それ、やだ、やめろ、みつただっ」
「駄ァ目」
 やがて長谷部の奥の奥、硬く閉じた肉の輪を光忠の亀頭がぐちゅりと貫いた。

「~~~~~ひっあああああああああっ」

 ぷし、と音を立てて長谷部のものから透明な液体がぱたぱたとシーツの上に降り注いだ。
「長谷部くんお潮噴いちゃったの? 本当にオンナノコみたいだね」
「ち、ちがっおれ、男、でっ」
「違わないよ。僕に突かれて中イキして、こうして子宮責められてお潮噴いて。可愛い。可愛い僕の長谷部くん」

 動くよ、と一言言って光忠が抽送を再開する。ぐぷ、ぐぷと奥の窄まりを苛めてやれば、長谷部は悲鳴じみた嬌声をあげる。

「あああっあ”っんんっあ”ああ、あっ、ッ!」

 叫びすぎて長谷部の嬌声にざらざらしたものが混じる。そろそろか、と光忠は汗でぬめる長谷部の腰を抱え直した。
「出すよ、長谷部くんっ……!」
 がり、と後ろから首筋に噛み付いて思いきり腰を打ち込んでやる。

「~~~~~~~~~っっ! っ!」

 声にならない声で絶叫すると長谷部は中をこれでもかと締め付けてイッた。
 心地よい締め付けを振り払うように、出した精液を塗り込めるように何度か腰を揺すると、長谷部の体はぐらりと光忠の方に倒れてきた。どうやら気絶したらしい。

「……孕んでくれればいいのに」

 そう言って光忠は長谷部の腹を撫でる。お互いの結合部からは白濁した液がとろりと漏れ出していた。
 時計を見れば夜の十一時だった。まだまだ夜は長い。
 これからどうしてやろうかと、光忠は可愛い恋人の頭を撫でながら思いを馳せるのだった。

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