犬も喰わない三日間

短編
     

後日談

「で、結局仲直りはできたんですか?」

 月曜の朝、出社して宗三は開口一番にそう言った。
「ああ、ありがとう。助かった。料理もうまくできた」
 長谷部の目の下にはうっすらと隈ができている。宗三もいい歳なのでわざわざ詮索はしないが、まあ、つまり、そういうことだろう。
 結局長谷部の恋人は長船なのか見知らぬ女性なのかは未だ判明しないが、わからなくてもいいか、と自分を納得させる。同僚としての付き合いは変わらない。
「そういや旦那、結局喧嘩の原因って何だったんだ?」
 薬研が向かいのデスクからディスプレイ越しにひょこりと顔を覗かせる。
「ああ、そういえば聞いてませんでしたね。何だったんです?」
 長谷部は少し俯いて、渋々と口を開いた。

「…………コロッケに醤油をかけるか、ソースをかけるかで揉めた」

 数秒後、秘書室の中に2人分の笑い声が響き渡った。

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