全年齢

短編

雪かきの合間に(2025バレンタインネタ)

7246文字 如月も半ば近くになってくると、去りゆく冬の最後の抵抗なのか、寒さがよりいっそう厳しくなってくる。 一時間にも及ぶ本丸総出での雪かきを終えた燭台切は、白い息を吐きながら自室への長廊下をひたひたと歩いていた。 天候管理システムの不...
こころなしてとて春を知る

夏空に咲くは大輪の

4512文字前の話へNOVELへシリーズ一覧へ※軽装実装前に書いた話です「夏祭り、ですか?」「そう、今度万屋街で政府主催の夏祭りがあるそうだよ」 そう言って主が差し出して来た一枚の紙を、俺はしげしげと眺めた。「三日間の開催で、出店や盆踊り、...
短編

柚子の蕾が開く頃

15348文字(全2ページ合計) おまえさん、旅人かい? 疲れてるなら甘いものでも食ってきな。柚子皮の砂糖漬けはどうだい? おお、そうかそうか、うまいだろう。柚子はこのあたりじゃ縁起のいい食べ物なんだ。悪い龍を倒した、聖なる果実なんだよ――...
短編

愚か者たちの挽歌

13014文字※刀剣破壊描写を含みます※明るい話ではありません◆◆◆◆山のあなたの空遠く「幸さいわい」住むと人のいふ。噫ああ、われひとと尋とめゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。山のあなたになほ遠く「幸さいわい」住むと人のいふ。『海潮音』収録「...
短編

君がその名を呼んだから

4737文字※実休光忠の実装記念SS※蜜藤JB2023でコピー本として無料頒布したものです※実休光忠のネタバレ・織田時代捏造を含みます「はじめまして、長谷部くん。僕は燭台切光忠。仲良くしてくれると嬉しいな」 本丸で初めて言葉を交わしたあの日...
短編

僕らの距離

3165文字「シートベルト忘れるなよ」「わかってるよ」「嫌いだからって、つけた後抜け出すのもなしだぞ」「ちっちゃい頃の話はやめてってば」 僕がむっとして唇を尖らせると、運転席の長谷部くんは「ははっ」と愉快気に声を上げた。「あんなに小さかった...
短編

美味しく料理されたのは

2063文字 つやつやぴかぴかと光る白米の上、さっくり揚がった黄金色の天ぷらたちに、茶色く光るたれを三本口のたれかけから惜しげもなくどぼどぼと降り注ぐ。胡麻油の香る香ばしい湯気の中から、新たに甘辛い香りがぶわりと立ち上った。「はい、召し上が...
短編

甜品を食べよう!

3816文字※※※こちらの話と同じ本丸設定です※※※「僕のスイーツ男士としての地位がはちゃめちゃに脅かされている」 いきなりそう言い出した燭台切に、審神者は「はあ」としか言えなかった。 燭台切がトンチキなことを言い出すのは大抵長谷部絡みのこ...
Trust my love and kiss me.

Trust my love and kiss me.・8

7460文字前の話へNOVELへシリーズ一覧へ次の話へ 人を信じることは難しい。 けれど心を閉ざして肩肘を張り続ける若さなんて、いつのまにか通り過ぎてしまった。 笑顔で優しい言葉を使っていれば周りはみんなそれとなく騙されてくれるし、そうやっ...
Trust my love and kiss me.

Trust my love and kiss me.・6

9408文字前の話へNOVELへシリーズ一覧へ次の話へ ――君が僕を心から信じられるようになった時に、どうか君からキスをしてほしい。 低く甘い声がまだ耳に残っている気がする。 額に触れた唇の感触さえ未だ生々しく、思い出すと頬に血が上ってくる...
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