祖父の愛人、長谷部国重を譲り受ける長船光忠の話

短編
     

16086文字(全3ページ合計)

補足説明

【作中の花言葉】
 ピンクのガーベラ:「感謝」「崇高美」
 カスミソウ:「感謝」「清らかな心」
 リナリア:「私の恋を知ってください」
 999本の赤い薔薇:「何度生まれ変わっても貴方を愛する」

【祖父(先生)について】
 実は駄目な大人です。
 作中の先生は、長谷部くん視点から見てるのでちょっといい人風ですが、高校生になりたての長谷部くんに手を出してるので、結構駄目な大人だったりします。
 見合いで知り合った奥さんとは若い頃に死別していて、子供や孫にそれなりに愛情はあったけど、オム・ファタールの長谷部くんと出会って燃えるような恋をしてしまったのがすべての始まりでした。

 先生が初めて長谷部くんに手を出したのは長谷部くんが高校生になりたての頃。奥さんの命日、雨の降る窓辺で亡き妻を想っていると、シャツをはだけさせた長谷部くんが後ろから抱きついてきて、「奥様の代わりでも構いません。俺を抱いてください」と言ってきて、その壮絶な色気と、相反する長谷部くんの若く透明な肌にくらくらした先生は「……君を妻の代わりと思ったことなんて一度もないよ」と唇にキスをしました。それが二人の肉体関係の始まりでした。
(実は当時長谷部くんは先生になんとかして抱いてもらう為に裸でベッドに潜り込んだり、媚薬を盛ったりを繰り返していましたので先生も一種被害者ではあります)

 長谷部くんからは完璧超人に見えた先生でしたが、一度だけ焦がれるような嫉妬をしたことがあります。
 先生が嫉妬したのは光忠が初めて見舞いに来た時でした。まだ若く綺麗な長谷部くんを置いて逝くことへの不安や恐怖や焦りを抱いていた先生の前に、若い頃の自分そっくりな光忠が現れて、臆せずに「長谷部くんが欲しい」と言った時、先生はたしかに嫉妬しました。自分がどうしたって適わない、若さという無敵の武器を光忠は持っていて、そのくせそれに無自覚なのでした。血を分けた可愛い孫息子に、先生は大人げなく嫉妬して、でも長谷部くんの将来のことを考えて、ぐっと堪えました。
 遺言状に「僕の愛する長谷部国重くん」と書いたのは、長谷部くんに自分の最後の気持ちを伝える意図の他に、光忠へのちょっとした牽制も含んでました。その牽制を乗り越えてでも長谷部くんの手を掴まなければ、化けて出てやるつもりでもありました。
 結果、光忠と長谷部くんは無事(?)結ばれて、ほっとするとともに、やっぱりちょっと悔しいと思う先生なのでした。長谷部くんの前ではそんなこときっとおくびにも出さないでしょうけど。

【光忠】
 ヤンデレ気質の光忠です。多分先生と光忠の立場が逆だったら、光忠は途中娘に泣かれても長谷部くんとの肉体関係は手放さなかったと思います。
 愛も執着心も人一倍だけど、寂しがり屋の長谷部くんとは割れ鍋に綴じ蓋です。

【長谷部国重くん】
 作中一番の被害者であり加害者。
 退院後、働き先を見つけたのをきっかけに、光忠とすこし広い家に引っ越します。
 実は生前の先生からまとまった額の貯金を渡されていますが、そのことは光忠に内緒にしています。自分の生活費と光忠とのデート代くらいは自分で稼ぎたいのです。
 死後はきっと先生と光忠、二人から口説かれる長谷部くんの三角関係が始まるでしょうね。がんばれ長谷部くん。

 次ページは短めの後日談です。

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