2022-06

短編

忘れられない夏休み

8458文字 夏は嫌いだ。 まず暑いのが嫌だ。汗ばんでじっとり張り付くシャツの感触の不快さと来たら筆舌に尽くしがたいし、通勤のための満員電車で他人のじめっと湿った肌に触れるのも不愉快だ。 かと思えば、一歩電車や屋内に入れば極寒の冷房が俺を待...
正しいダイナミクス的恋愛のススメ

正しいダイナミクス的恋愛のススメ・2

12437文字前の話へNOVELへシリーズ一覧へ次の話へ お互いの予定が合ったのは次の週の土曜だった。 午前中は仕事があるという光忠に合わせ、昼過ぎの待ち合わせにした。光忠の職場と長谷部の家の中間地点にある、そこそこの規模の駅の改札前とざっ...
正しいダイナミクス的恋愛のススメ

正しいダイナミクス的恋愛のススメ・1

7385文字NOVELへシリーズ一覧へ次の話へ またSubにフられた。 出会いは相手を求めるDomやSub、ダイナミクス性を持つ者達が集まるダイナミクスバーだった。たまたま隣に座ってお互いフリーだという話になって、互いのNG項目や性嗜好も確...
短編

おてて握っておにぎらず

10296文字 長船光忠、二十八歳独身。職業は保育士。 やはりというか何というか、数合わせで呼ばれた合コンでは女の子達から「子供お好きなんですね」「ピアノも図工も得意なんですか? いいパパになりそう!」と口々に褒め称えられ擦り寄られ大変だっ...
短編

初恋すてっぷ・あなざー

11663文字 僕は燭台切光忠。長船派の祖・刀工光忠に打たれた刀の一振りで、伊達政宗公に名づけられ、水戸徳川家と長く共にあった太刀だよ。青銅の燭台だって切れるんだ。 僕の朝は早い。男たるもの、朝起きた時から夜眠る時まで――できれば寝ている時...
短編

初恋すてっぷ

9943文字「生まれ変わってもかならず君を見つけに行くから。だから、待ってて」 そんな約束を交わして、実際に来世で巡り会える強運な恋人同士というのは一体この世で何組いるのだろう。 まず互いにどの時代、どの国に生まれるかというので大きく明暗が...
短編

祖父の愛人、長谷部国重を譲り受ける長船光忠の話

16086文字(全3ページ合計)本編 長船光忠は小さい頃、祖父の家に遊びに行くとよく遊んでくれた優しいお兄さんが大好きだった。名前は長谷部国重くん。兄弟のいない光忠にとって、長谷部くんはまるで本当のお兄さんのようだった。けれど、何故か長谷部...
短編

僕達は依存している

3313文字 白くまろい尻がゆらゆらと揺れている。なだらかな曲線を描く割れ目の奥で、限界まで広げられた菊門がひくひくと震えながら僕の剛直を健気に咥えこんでいる。「ん、ぁあ、や、らぁ……! 光忠、みつただぁ! 動いて、突いてぇ……!」 こちら...
短編

泣き虫光忠とその保護者長谷部の話

8977文字 俺はどこにでもいる普通のへし切長谷部だ。そしてこれもまたありきたりだが、燭台切光忠と付き合っている。そこまでは、まあいい。よくある話だ。 ただ問題は、俺の光忠が一般的な燭台切光忠からは少々外れた個体だということだ。どういう風に...
短編

こいにおちる

14887文字 僕が長谷部国重くんの家庭教師になったのは、まだゴールデンウィークが明けたばかりの事だった。 大学生活の片手間に始めた塾講師のアルバイトは僕の性に合っていたらしく、生徒からもそこそこ人気を博していたところ、ある日塾長から直々に...