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雪かきの合間に(2025バレンタインネタ)

7246文字 如月も半ば近くになってくると、去りゆく冬の最後の抵抗なのか、寒さがよりいっそう厳しくなってくる。 一時間にも及ぶ本丸総出での雪かきを終えた燭台切は、白い息を吐きながら自室への長廊下をひたひたと歩いていた。 天候管理システムの不...
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泥中に咲く+後日談

33161文字(全3ページ合計)泥中に咲く「すまない。恋人がいるんだ。おまえの気持ちには応えられない」 僕の一世一代の告白に対して返ってきたのは、予想通りの言葉だった。だから僕も用意していた台詞をなぞるように返す。「……うん、そうだろうなっ...
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【ゲームブック風小説】いつだって愛してる

※選択肢によってエンディングが7種類に分岐します※893アルファ×庶民オメガのオメガバース軸※長谷部のモブ彼描写、燭→へしの無理矢理描写あり※全ルート暗め 世の中には男女以外の第二性としてアルファ、ベータ、オメガの三種類の性がある。 長谷部...
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夏色センチメンタル

65862文字(全14ページ合計)プロローグ 夏は好きだ。 肌を焦がすように照りつける太陽、真っ青な空にもくもくと浮かぶ入道雲、花壇で堂々とその葉と鮮やかな花びらを広げる向日葵、ちりんと澄んだ音を立てる風鈴、ゆらりと陽炎を立てるアスファルト...
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片恋インモラル

8074文字 ――叶わない恋をしている。 明かり取りの細い窓から降り注いで来た朝日に、長谷部は薄い瞼をぴくぴくと動かし、声変わり前の高い声でううんと唸りながら藤色の瞳を開いた。ごしごしと目を擦りながら体を起こした直後、ベッドヘッドに置かれた...
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へっぽこ催眠術師と優秀なアルバイト

4388文字 『本日休診日』と札のかかった入口を抜け、アースカラーで統一された待合室を通り過ぎ、まっすぐに奥のドアへと向かう。「長船先生、おはようございます」 そう言ってスライドタイプのドアをがらりと開けた。待合室より幾分か薄暗い照明に一瞬...
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柚子の蕾が開く頃

15348文字(全2ページ合計) おまえさん、旅人かい? 疲れてるなら甘いものでも食ってきな。柚子皮の砂糖漬けはどうだい? おお、そうかそうか、うまいだろう。柚子はこのあたりじゃ縁起のいい食べ物なんだ。悪い龍を倒した、聖なる果実なんだよ――...
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愚か者たちの挽歌

13014文字※刀剣破壊描写を含みます※明るい話ではありません◆◆◆◆山のあなたの空遠く「幸さいわい」住むと人のいふ。噫ああ、われひとと尋とめゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。山のあなたになほ遠く「幸さいわい」住むと人のいふ。『海潮音』収録「...
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シーソーゲームは終わらない

46098文字(全9ページ合計)【1】「他に好きな人ができたの。離婚して頂戴」 先日妻からそんなことを言われて、言われた通りに離婚届に判を捺してきた。  飲み会で部下にそんな話をしたところ、「バカなんですか?」と盛大に呆れられた。名刀のごと...
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君がその名を呼んだから

4737文字※実休光忠の実装記念SS※蜜藤JB2023でコピー本として無料頒布したものです※実休光忠のネタバレ・織田時代捏造を含みます「はじめまして、長谷部くん。僕は燭台切光忠。仲良くしてくれると嬉しいな」 本丸で初めて言葉を交わしたあの日...
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