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【エピローグ】
木漏れ日の落ちる遊歩道を、壮年の男性と青年が手を繋いで歩いている。
「そういえば、長谷部くんは引っ越し準備は順調?」
「ええ、まあ。元々私物は多くないですし、必要最低限の日用品以外の荷造りは済んでます」
「なら手料理のデリバリーは必要ないかな?」
「それは食べたいです」
青年の言葉に男性のほうが声をあげて笑った。
「それじゃあ、今夜あたりにお伺いしようかな。何かリクエストはある?」
「うーん、この間のハンバーグもうまかったし、油淋鶏も捨てがたい……」
「がっつりいくねぇ」
隣から溢れた苦笑に、青年は目を細めた。すこしだけ悪戯っぽい光を藤色の瞳にきらめかせ、表情だけはごく真面目ぶった様子でこともなげに告げてみせる。
「まあデリバリーは口実なので、長船さんが泊まりに来てくれれば、メニューはなんでもいいです。実質長船さんがメインディッシュなので、サイドメニューにはこだわりません」
「熱烈だなぁ」
「お嫌いですか?」
「ううん、だいすき」
二人の手が繋ぎなおされて、指が絡められる。離れないように、離さないように。
二人のシーソーゲームは、これからも続いていく。
【了】
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